外洋では今のところ酸性化の兆候は無いと言うが、その脅威は確実に迫っている。
海水は弱アルカリ性だが、二酸化炭素を吸収すると炭酸が生じて、酸性化が進むのだ。このプロセスで水中の炭酸イオンは減少し酸性化していく。
ここで問題なのが、小さな貝やサンゴなど多くの海洋生物は、殻や骨格の材料を海水中の炭酸塩に頼っているのだ。
海が酸性化すると、生態系にとって重要なこうした生物が、殻や骨格をつくれなくなってしまうというのだ。
炭酸カルシウムで出来ている骨格をもつ生物への影響は大きい。特に魚の餌にもなっている動物プランクトンへの影響は甚大である。
二酸化炭素の濃度上昇により温暖化の問題だけでなく海水の酸性化が進むのである。
このままでは、海中の有殻生物はピンチを迎える。
海洋生物学者は訴えている。「こうしたもろい殻をもつ生物への打撃は食物連鎖にも影響するでしょう。これは大いなる警鐘です」
別の海洋学者は、「人類が放出する二酸化炭素の量は、自然の回復力を大幅に超えています」と言う。そして 「今すぐに排出をストップさせても、回復に1万年はかかるでしょう」ということである。
恐ろしい未来が待っているのではないか。

